ほぼ週刊 JKT48推し!

結成当初からJKT48箱推しヲタのブログ。Blog yang pnya JKT48 Wota dari Japan

国境を越えて受け継がれるKイズム - 逆境にこそ咲いた花、JKT48 チームKIII(K3)

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写真:チームK3単体で初めて雑誌の表紙を飾った Hai Magazine 2013年8月号表紙

はじめに

3期生の最終オーディションが始まり、現在63名の最終候補が残っている。この中から何人が残るのかという興味も尽きないが、3期生が入ってくる前に、2期生、特にHKT48を差し置いて昇格したチームKIII(以下K3)について書き記しておきたい。ぼく自身JKT48ハコ推しではあるものの、チーム結成に身近で際したのは初めてのことだったため、かなり思い入れが強いチームである。そして、48Gファンにとって「K」という記号は特別なものであるが、その名に恥じないチームである事を知ってもらいたい。


48GにおけるKイズム

AKB48のチームKといえば、初期の頃はチームAと比べられ悔しい思いをしながらも、その悔しさをバネにして徐々にKの独自性を打ち出してきたという流れがある。その中心メンバーであった大島優子や秋本才加、宮澤佐江らはその後AKB48の中核となり、伝説的なエピソードも多い。

SKE48のチームKにしても、「栄の劣等生」とまで言われた事もあった。不遇な期間が続いたゆえのメンバーの団結力が売りのチームだという。中心となったメンバーは高柳明音や小木曽汐莉、秦佐和子、向田茉夏など。今では卒業してしまったメンバーも少なくないが、SKE48躍進の原動力にもなったメンバーたちだ。

何冊かの本、何本かのルポを読んだ。Kイズムの要素、すばらしさを挙げていけばきりがないのだろうが、その中でも「逆境」がひとつのキーワードである事は疑いの余地がないようだ。だとするならば、JKT48のチームK3も、Kイズムを色濃く受け継いだKの名に恥じないチームだと断言できる。
僕が知っている限りではあるが、その成り立ちを紹介したい。

JKT48の成り立ち

JKt48の一期生チームJメンバーの中には、芸能活動の経験者が多い。もちろん最初から完成されていた訳ではなく、結成当初に比べればペフォーマンスのレベルも上がったうえに、雰囲気もあか抜けてきた。しかし結成当初からある程度は仕上がっていたのも事実。ある意味では48グループの魅力を活かしきれてはいなかったとも言える。

ところがチームK3のメンバーは、一期生のオーディションに落ちた再チャレンジのメンバーを含め正真正銘の素人たちが多く、「成長を楽しむ」という48グループの魅力を最大限に活かす事のできるチームでもあったのだ。

JKT48のファン層は以下の3つに大別できる。
1:アーリーアダプター もともとAKB48などが好きな、日本コンテンツオタク
2:AKBとか知らないけどハマった、疑似恋愛を楽しむティーンエイジャー
3:AKBとか知らないけどハマった、疑似パトロンを楽しむ社会人

個別の説明は別のエントリでさせていただくこととして、今回は①に触れる。
①のファンたちは、AKB48のファンであり、それ以外を邪道とする傾向がある。主に欧米のロック音楽が好きな日本人が日本のロックバンドを揶揄しがちな現象と似ている、と想像してもらえればわかりやすいだろうか。そのため、JKT48のパフォーマンスに対しても要求が高い。

芸能活動経験者の多い一期生ですら彼らの要求に応えるのは難しかったのだから、完全な素人集団である二期生の走り出しは、もちろん順風満帆なものではなかった。

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写真: フリーウェブマガジン Ankoru Magazine April Edition

二期生の苦難

2011年秋にJKT48が結成された当初、専用の劇場は無かった。2012年の9月12日に専用劇場がオープンするまでの約一年間、一期生は色々な場所を転々としながら公演を行っていた。最初は客の数も少なく、つらい思いをしたと語るメンバーは多い。それに比べるとデビューしてすぐに研修生となり、専用劇場で公演を行う事のできた二期生は恵まれているという声もある。

しかし、インドネシアはアイドル未開の地。ファンの高い要求に応えながら「アイドル」という概念が存在しなかった世界の新たな道を切り開いてきたオリジナルメンバーと、比べられ続けるつらさも並大抵のものではなかったはずだ。チームAと比べられたチームK、チームSと比べられたチームK2同様に、一期生への尊敬は持ちつつも負けないようにがんばってきた中で、2013年5月に結成されたのがチームK3だった。

結成から1年ほど経った2012年の冬に二期生がメンバー入りし、2013年一月より、研究生としてパジャマドライブ公演をスタートする。一期生の最初の公演もパジャマドライブだったため、いやがおうにもにも比べられる日々。ファンからの厳しい声もあった。

この時期、一期生であるチームJの公演はだんだん当選倍率が上がり、なかなか見られないようになっていくタイミングで、二期生の公演は満員にならない。当日飛び入りでも見られる状況が続いていた。

パジャマドライブ公演が始まってから約4ヶ月強が経った日、千秋楽の日付が発表され、新しい公演の演目が決定した。新公演はひまわり組1stの「僕の太陽」だった。


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写真:JKT48オフィシャルfacebookページより

研究生2nd「僕の太陽」公演スタート

AKB48を知らずにJKT48からハマった身ではあるが、「僕の太陽」公演がすらばしいセットリストであることはすぐにわかった。さらに、初日を見た友人によると、初日から出来は悪くなかったという。一期生の先輩たちとは違う、自分たちならではのパフォーマンスをしたいという気持ちも強かったのだろう。

また少し大人っぽい曲の多い「恋愛禁止条例」公演をやっているチームJとは違った、まだJKT加入から半年ほどの初々しい雰囲気が、初恋モチーフなどさわやかな曲の多い「僕の太陽」にかなりハマっていた。公演全ての曲がいいのだけでど、個人的には「向日葵」と「BINGO!」二思い入れが強い。この二曲にやられてしまい、JKT48の公演を中心にスケジュールを組む生活が始まってしまったのだ。

ぼくは公演二日目から毎週2、3回くらい通っていたのだけれど、目に見えてよくなっていくというよりかは、最初からある程度仕上がっていたように感じた。そして評判も上がってきたのか、すこしずつチケットが当選しづらくなっていく。徐々に申し込む人の数が増えたのだろう。しかし研究生であるため、発売されるCDの選抜や相次ぐテレビ出演、後の地方コンサートなどにはなかなか出られない。客の反応が良くなっていく劇場での手応えをつかみながらも、活躍の幅という意味ではもどかしい日々が続いた。

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写真:チームK3結成発表が劇場のモニターに映し出された瞬間 akb48wrapup.comより

K3の結成

二期生が研修生として先の見えない努力を続ける日々は、ある日突然終わった。
6月25日の公演が終わった後、唐突に支配人のジローさんが郵便ポストを片手に現れ、大柄な体とハスキーボイスが印象的なメンバー、リディアの目の前にポストをおいた。そして手紙を読むように指示して舞台袖へはけていく。何も知らされていないメンバーたちも戸惑っていた。
リディアがおそるおそる手紙を読み上げると、内容はチームK3結成とともに、昇格する18人のメンバーを発表するという内容だった。
昇格メンバーの名前と顔写真が次々にステージ上のスクリーンに映し出されていく。28人いる研究生のうち、18人しかメンバーに選ばれない。

選ばれたうれし泣きや選ばれなかった悔し泣き。様々な思いを抱えそれぞれ意味の違う涙が流れる中、無情にも公演終了後のハイタッチセッションは開催された。二期生を初期から推していた友人によると、ほとんどのメンバーは涙をこらえて笑顔でハイタッチに望んでいたという。昇格したメンバーもそうでないメンバーも、既にプロの顔つきに近くなっていたのだ。

この日の直後、人気バラエティ番組「ヒタムプティ」へK3メンバーのみが出演し、SKE48の「1!2!3!4! ヨロシク!」カバーを新しい衣装(冒頭の写真参照)で披露した。黄色のチアリーダー風の装いで、フレッシュさを前面に押し出した、チームカラーをよく表していた。運営が満を持して、リザーブ扱いだった二期生を売り出していく事を表明した日だったと言えるだろう。

ちなみにこの番組出演の次の日の公演ではアンコール終わり後、ボーナストラック的に「1!2!3!4! ヨロシク!」のパフォーマンスが行われた。その詳細はこちらのエントリを参照してほしい。
http://jkt48oshi.hatenablog.jp/entry/2014/02/02/234524

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写真:ジャカルタコンサートDVDキャプチャ

強く咲き続け、ようやく陽の目をみた花たち

昨年7月に、地方都市含む国内五都市ツアーが行われた。ツアーはJKT48にとって発の試み。JKT48だけを見に来る客としては過去最多の2000人収容のハコでの開催だ。地方コンサートはなかなかっ盛況で、残すはジャカルタでのコンサートのみとなった頃、チームK3が結成されたのだ。
ジャカルタコンサートで行われた三公演のうち二公演目では、セットリストの頭の曲はチームK3で「初日」だった。偉大な一期生と比べられ続け、それでも負けずにがんばった結果が、眼前に広がる2000人のファンだった。この曲を踊っている間、胸にいろんな思いを抱いたメンバーもいただろうし、何より様々な場面が脳裏にフラッシュバックしているファンは多かったはずだ。ぼくも泣きそうになった。

事実、そのコンサートのMCで、ナディラが眼前に広がる2000人のファンに大して「二期生になって公演をやっていて、最初はお客さん全然いなかったのに今ではこんなにたくさんのお客さんがいて本当に嬉しい!」と言っていた。

小さな劇場でファンを照らし続けてくれた”僕らの太陽”たちを、2000人規模の大きな舞台に立たせてあげることができた。時間にしてみれば、わずか半年とちょっとでチームに昇格して大きな会場でコンサートをできた。恵まれすぎていると見る事もできるだろうが、近くでそのがんばりを見ていた身としては、感無量といえる日だった。

K3の成長によって層が厚くなる

上述のジャカルタコンサート以前は、地方コンサートは一期生のみの参加だったが、以降は二期生や研究生も含めて多様ななメンバー構成で様々なイベントへ出演するようになった。二期生の成長によってグループ全体の層が暑くなり、同日開催のイベントに多数出演する事ができるようになったのだ。

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写真:インドネシアフェスティバル@六本木ヒルズ 筆者撮影

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写真:JKT48オフィシャルfacebookページより

象徴的だったのは、2013年9月21日(土)と22日(日)の両日。
21日には東京の六本木で開催された、在日本インドネシア大使間主催の「インドネシアフェスティバル」へナビラ、フェランダ、センディの三人が出演。同時にジャカルタで開催された国内最大級のイベント(11日間で約38万人来場)「インドネシアモーターショー」のHONDAブースへの出演、そして劇場公演の三カ所での同時出演を果たしている。
22日にもインドネシアフェスティバル二日目、劇場公演に加えて地方ライブ(スマラン)に出演している。この後も同日の2カ所、3カ所出演をこなしていくようになり、K3メンバーら二期生の成長と共にJKT48の活動の幅が大きく広がった。

以降の躍進

ぼくは2013年の9月半ばに日本に帰国したのでそれ以降の事は分からないけれど、その時点で既にチームK3のチケット入手もむずかしくなっていた。
セカンドシングルからはK3のメンバーが着々と選抜入りし(2ndシングルでは10人中5人、3rdシングルでは16人中5人、4thシングルでは16人中6人)、握手会の受け持ちセッション数も一期生に負けないくらい多いメンバーもでてきた。次回の4thシングル握手会で7枠受け持つメンバー44人中4名のみで、そのうち二期生はフィニのみ。ジャカルタコンサートの後に決まったローソンのコマーシャルに起用された6人のメンバーのうち4人もK3メンが起用されるなど、活躍の場は広がり続けている。

様々なプレッシャーに踏みつぶされる事無く逆境に強く咲いた花たちは、太陽に向かってすくすくと育っている。

各メンバーのひとこと紹介

詳しい紹介は別エントリにするとして、最後にK3の各メンバーをひとことで紹介する。下記写真はすべて各メンバーのツイッターアカウントより。

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↑クールビューティーなキャプテンのナオミ

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↑微笑みでKO連発の握手会女王フィニ

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↑歌って踊れてトークも抜群のロナ

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↑インドネシア発のロリロリアイドルのユッピ

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↑爽やかな魅力全開のハンナ

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↑コスプレ大好きガチオタかつエキゾチック美人ヨナ(右)

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↑ミステリアスな映画大好きっ子ナタリア

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↑14歳なのにトークとハスキーボイスが売りのデラ

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↑チアリーディングで鍛えた、たくましい肉体の姉御肌リディア

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↑ネタキャラでありながらも手足が長くパフォーマンス力抜群のアチャ

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↑スタイル抜群なビジュアルメンの一人タタ

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↑前田敦子に顔が似てると一部で話題のウティ

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↑伝統舞踊でならしたわりに、ぶりっこアイドルキャラナディラ

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↑バレエで鍛えたダンスが力が売りのノエラ(右)

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↑キャプテンのナオミとそっくりの妹、おっとり美人シンカ

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↑見るものをほっとさせる笑顔が魅力のイカ

などなど、パワフルなメンバーがたくさん。

ガチオタすぎて活動よりもゲームの大会を優先してクビになったメンバーや、学業との両立が難しくて活動辞退してしまったメンバーもいる、バラエティあふれるチームだ。

今後の躍進に期待すると同時に、三期生が入って先輩の顔になっていくK3メンの変化が今から楽しみである。