ほぼ週刊 JKT48推し!

結成当初からJKT48箱推しヲタのブログ。Blog yang pnya JKT48 Wota dari Japan

注:JKT48の3rdシングルは『恋するフォーチュンクッキー』ではない。- JKT48が現地で人気を得るために必要なこと

このエントリは 旧ブログ「ジャカルタのふろしき」2013-08-27 エントリの再掲載です。

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掲題の通りなんだけれど、JKT48の3rdシングルの題名は『恋するフォーチュンクッキー』ではなく、『Fortune Cookie in Love - Fortune Cookie yang Mencinta 』です。

JKT48版恋するフォーチュンクッキー日本と同時発売

とか

JKT48「恋するフォーチュンクッキー」TV初披露

とかいう書き方が散見されるんだけど、これは厳密には間違っている。
分かりやすさを考えるとこう書いてしまうのは仕方ないんだけどね。

同じじゃねえか、何が違うんだ。そう思った方には是非このエントリを最後まで読んで頂きたい。

シングルの題名が『恋するフォーチュンクッキー』ではなく、『Fortune Cookie in Love - Fortune Cookie yang Mencinta 』であることには非常に大きな意味がある。

JKT48ファンの種類

ぼく自身はJKT48の大ファンで、劇場にも30回以上通ってる。インドネシア人のファンの友人も多い。そんなぼくのリサーチによる独断と偏見にもとづく私見だが、インドネシア人のJKTファンを大別すると以下の三通りに分けられる。

①もともと日本文化が大好きで、JKT48発足前からAKB48が好き、JKT48も大好き

②もともと日本文化はちょっと好きで、AKBとかは知らなかったけど、JKT48を好きになった

③もともと日本文化が好きでJKT48発足前からAKB48が好きだけど、JKT48に関しては若干批判的な目で見ている

これを見て分かる通り、もともと日本好きな人にしかリーチできていない。というのは他のエントリで言及するとして、以下解説。

①と②については特に解説は必要ないと思うので③について。

JKT48はAKB48のコピーキャット?

高校時代、ぼくは文化祭などのイベントでバンドを組んだことがあった。オリジナル曲はなく、各々が好きなバンドの曲を演奏していたのだが一緒にライブをやる人たちの話を聞いていると洋楽好きが圧倒的に多かった。そして彼らは自分の好きな洋楽バンドをリスペクトするあまり自国の音楽シーンを嘲り、日本のロックはださいと言ってはばからない。

これは音楽だけでなく、映画やファッションなど様々な分野で見られる西欧主義だけど、これと似たようなケースが今インドネシアで見られる。JKT48を批判するインドネシア人だ。

もともとAKB48が大好きなファンたちは、オリジナルをリスペクトするあまりJKT48を認めない。それが顕著だったのはJKT48のファーストシングル『River』が発売されたとき。日本武道館で初披露された際には日本の48Gファンの期待をいい意味で裏切るクオリティの高さを見せていたが、インドネシア現地のオリジナル主義者たちの「AKBに比べれば全然駄目だ」という言説が、ツイッターや日本で言う2ch的な掲示板ではよく見られた。

現地の熱心な音楽ファンから、リップシンクであることや、曲がオリジナルでないことを批判されることもままある(曲のクオリティの批判はそんなに聞いたこと無い)。リップシンクは置いておくとしても、曲がオリジナルでないことは、日本文化やアイドルに詳しくない一般層も感情移入しづらいはずだ。いくら親日とはいえコピーキャット扱いはまぬがれない。

そんなアンチや音楽通をだまらせ、一般層の人気を勝ち取ってブレイクするために必要なステップを設定するとすれば以下の通りとなるはずだ。

ブレイクまでに必要なこと

オリジナル曲

まずはなんと言ってもオリジナル曲を作ってもらう必要がある。AKBの曲は青春をテーマにした曲が多いが、青春の風景は文化によって大きく違う。本質を外さずにインドネシアに置ける青春の風景ををうまく描くことができれば、音楽としても、Jポップから良い点をとったインドネシアオリジナルの楽曲となる。そしてコピーキャットの誹りも免れる。

オリジナルセットリスト

NMBですらオリジナル公演が無いなど(先日ドーム公演で発表されたけど現時点ではない)、なかなかハードルは高い。上記のオリジナル曲が必要な理由と同じで、オリジナルセットリストがあればなお良い。新規のファンの劇場への導線を強くさせるだろう。

JKT48オリジナルメンバーがAKBと兼任

レナがもう兼任してるじゃん、という話もあるがこれはノーカン。なぜならインドネシア人メンバーがAKBと兼任して初めて、本家AKBと同じ土俵に立つこととなるからだ。ここでJKT48がAKBの単なる二軍という印象を払拭することができれば、一般層の関心も高まることになるだろう。

余談だが、AKB48から高城亜樹さんと仲川遥香さんのふたりがJKT48に加入した際に、JKT48のことを「なんだかよくわからないけど日本人の入ったグループでしょ?」という認識をしていた人が少なくなかったらしい。日本人が加入というのは、それだけで意味があることなのだ。サッカーに例えて言うなら海外有名リーグの選手がレンタル移籍してきたような感じだろうか。

お下がりではなく、同時発売

長い前フリになったが、ここまで読んで頂ければもうおわかりだろう。

オリジナル曲ではないものの、『Fortune Cookie in Love - Fortune Cookie yang Mencinta 』の発売は、それへの第一歩であるシングル同時発売だったのだ。
実際、今までのシングルは『Yuuhi wo miteiruka』(夕陽を見ているか?)など日本語をローマ字にしたものだったのが、今回は最初からインドネシア語のタイトルになっているのだ。このことを喜んでいるインドネシア人ファンは多い。自分たちの曲、という風に思えるからだ。そして同時発売ということはお下がりではない。これは非常に重要なことである。

以上の理由で、分かりやすさを重要視しても、ぼくはJKT版KFCという表記はしたくない。

JKT48の新シングルは『恋するフォーチュンクッキー』ではありません。
『Fortune Cookie in Love - Fortune Cookie yang Mencinta 』です。


これでオリジナル曲やセットリストがあれば、自分たちの国のアイドルグループを誇れる気持ちがより強くなる。そして一般向けの浸透もしやすいはずだ。今後の展開に期待したい。秋本氏、JKT48のオリジナル曲を作って下さい。お願いします。